この記事は特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではなく、インデックスファンドの「見方」を整理するための参考情報です。数値は各社の公表資料からの自動集計で、最新・正確性を保証するものではありません。投資の判断はご自身の責任で、最新の目論見書・運用報告書をご確認ください。
トラッキングディファレンス:総経費率を調べたら、その次に確認すること
インデックスファンドは指数と同じ動きをするのが仕事なので、総経費率が低いことに加えて、実際に指数どおりに動いているかも確認しておきたいところです。ただ、僕が仕事で接する範囲では、総経費率を意識している人がそもそもほとんどいないので、指数とのズレまで確認するのはまず考えられません。総経費率の比較は全ファンド版の記事の表でできます。この記事の表は、指数からのズレを比べるものです。
交付運用報告書には、その期のファンドの騰落率と、対象指数(ベンチマーク)の騰落率が並べて載っています。この差がトラッキングディファレンスです。
トラッキングディファレンス = ファンドの騰落率 − 指数の騰落率
インデックスファンドでは、たいていマイナスになります。信託報酬などの費用が日々ファンドの純資産から引かれるので、指数どおりに運用できていても、その分だけ下にズレるからです。そこで総経費率を足し戻した値を、この記事では実質乖離と呼びます(正式な用語ではありません)。
実質乖離 = トラッキングディファレンス + 総経費率
ゼロに近いほど、コスト以外の要因でのズレが小さかったことになります。
よく似た言葉にトラッキングエラーがありますが、こちらはズレのばらつき(標準偏差)を測る別の指標です。この表で見ているのは、ズレそのものの大きさです。
【比較表】インデックスファンドの実質乖離一覧
下の表で、インデックス型と判定できたファンドの実質乖離を横断で確認できます。ファンド名で検索でき、各行から交付運用報告書(一次資料)に直接リンクしています。いま持っている商品や、候補にしている商品を入れてみてください。
表を見るときの注意
- 符号ではなく、絶対値を見てください。インデックスファンドの仕事は指数を再現することなので、上にズレても下にズレても「再現できていない」という同じ結果です。プラスだから優秀、ということはありません
- 0.1ポイント程度の差は誤差です。報告書の騰落率が小数第1位までの開示なので、実質乖離もそれくらいの誤差を含みます
- 指数名に「トータルリターン」「配当込み」とあるかを確認してください。配当を含まない指数を掲げているファンドは、実質乖離が2〜4%ほどプラスに出ます。運用が上手いのではなく、比べている指数の定義が違うためです
- 決算期はファンドごとに違うため、同一時点の比較ではありません。外国株は、期間のズレが為替や株価の変動に拾われやすくなります
- 対象指数の名称は報告書から自動抽出したもので(セルにマウスを乗せると表示されます)、表記の揺れが残っています。正確な指数名は各行のリンク先で確認してください
- 「—」の銘柄は、対象指数の騰落率が報告書に開示されていないもの、または複合ベンチマークで単一指数との比較が適さないものです
データの更新について
数値は各ファンドの新しい運用報告書が公表され次第、週次で取り込んで更新しています。ただし反映までには多少のタイムラグがあり、直近に決算を迎えたファンドは、数値もリンク先の運用報告書も旧決算期のままの場合があります。最新の情報は各運用会社の公式サイトや最新の目論見書・運用報告書でご確認ください。
出典
- 各ファンドの交付運用報告書(ウィジェットの各行からリンク)
- 資産運用業協会(旧・投資信託協会)「投資信託及び投資法人に係る運用報告書等に関する規則」(2026年5月20日・規則本文PDF)(参照日:2026-10-14)
- 総経費率の定義は第3条の3第1項第1号④(イ)、基準価額とベンチマークの騰落率の対比表示は同号⑧
- 参考(二次情報):三菱UFJアセットマネジメント よくあるご質問「総経費率はどこをみれば分かりますか」(参照日:2026-10-14)
免責
本記事および比較ツールは、特定の金融商品の取得・売却を推奨するものではありません。掲載数値は各ファンドの交付運用報告書等の公表資料からの自動抽出・集計であり、抽出誤りを含む可能性があります。また実質乖離は本記事独自の計算による参考指標であり、公式に定義された指標ではありません。掲載数値はいずれも直近の実績であり、将来の運用成果を示すものでも保証するものでもありません。あくまで参考情報として、投資判断はご自身の責任で、最新の目論見書・運用報告書をご確認ください。筆者は読者個別の投資について助言を行うものではありません。